謎の信用分割 お店の人ありがとう

今週のお題「人生で一番高い買い物」

その昔まだ大学生だった頃

一人でフラフラと服やさんなんかを見て歩きながら
ふと見つけたコートをものすごーく気に入った

それはイタリアのなんかのブランドで
思いっきりの緑色で派手で奇抜で

今なら着る勇気は無い

私はブランドとかそういうものに興味は無かったけど
たまたま気に入って
うっとり眺めていた

お店の人が来て
「このお店の服は
宮沢りえさんも買いに来るんですよ」
と言った

でもそのコートは十数万円だった

大学生の私はお金を持っていなかった

もちろん買えない
クレジットカードも持っていない

するとお店の人が言った
「このブランドの服を
そんなに気に入ってくれて嬉しい
派手だからなかなかみんな買ってくれない
何回かに分けてお店に払いに来てくれればいい」
と言った

えっいいの?そんな払い方で
私の事信用していいの
と聞いた気がする

そして「うん大丈夫」
と言われた記憶がある

私は少しのお金を払ってコートをもらって帰った

確かあのとき
特に何も書類なんか書いていないし
免許だかなんかを
ちらっと見せたくらいはしたかなってくらい

それから毎月お店に行っては少しずつ支払いをした

そんな支払い方
後にも先にもあの時しかない
その後
何ヶ月かかけて残りをお店に支払いに行って
何事もなくそれで終わった


全く無理やり買わされてもいないし


そこらの貧乏大学生からしたらとても高い服を
気に入ってうっとりしているのを
本当に嬉しいと思ってくれたようだった


今考えても
面白い買い物だったなぁ
と思う